葛城一族の跡を訪ねて

葛城東麓を巡る不思議の旅

ブログの新シリーズ「葛城東麓」を始めます。2020年のコロナ禍の中、第一波の感染状況が少し緩和されてきたころ、6月あたりから古代史探検を再開した。都心を通るわけでなく田舎から田舎へ行く経路だし、感染症を広げることもなかろう。なんといっても家にこもることに耐えられなくなった、ということが大きいが、古代史をさらに探検したいという止むことなき欲望を抑えられなくなってきたのだ。 

 ロケーションから言って、前回の「生駒西麓」に続いて、葛城・金剛東麓とも言える地域である。大和王権は三輪山の麓から始まるとされるが、それ以前に王が治める地があった。大和が国として始まるその原初でもあり、神々が治める国から王権が支配する始まりの場所が葛城であると言う。金剛山も含め葛城の山とされた古代、葛城は天上から神々が降りるにふさわしい山容であり、神の指令の元にその山麓から裾野にかけ、人による国づくりが始まった。葛城で活躍した人々としての葛城一族、葛城から大和平野、さらに河内へと展開する大和政権の中枢近くで絶えず時の権力を支えた一族でもあった。 

葛城東麓

  葛城一族の活躍をたどる旅は時とともにその様子を変える雄大な葛城の山々とともにあったが、今も神々が住まうように見え、絶えずその神秘さに畏怖を覚え、インスパイアもされる、不思議な感動を伴う旅であった。今シリーズの前半は、歴史学者の鳥越憲三郎先生の「葛城王朝論」の論旨に沿った形で進め、後半は大和政権の下で活躍する葛城一族の行方を探るものである。

<参考文献>                                    鳥越憲三郎著「神々のみち―葛城」「神々と天皇の間」                  靏井忠義著「葛城の神話と考古学」                          大阪府立近つ飛鳥博物館図録「ヤマト王権と葛城氏」                  葛城市歴史博物館図録「発掘葛城山麓の古墳」                     平林章仁著「謎の古代豪族葛城氏                            丹野拓・米田文孝共著「紀国造家の実像を探る・岩橋千塚古墳群」                 白石太一郎著「葛城周辺の古墳からみた蘇我氏の本拠地」   など

投稿者:

phk48176

古市古墳群まで自転車で10分、近つ飛鳥博物館まで車で15分という羽曳野市某所に住む古代史ファンです。博物館主催の展示、講演会、講座が私の考古学知識の源、それを足で確かめる探検が最大の楽しみ。大和、摂津、河内の歴史の舞台をあちこち訪ねてフェイスブックにアップします。それら書き散らしていたものを今回「生駒西麓」としてブブログにします。いろいろな意見をいただければ嬉しいです。

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