2025年5月29日から6月2日まで、中国西安市を訪れ、中国の古代、おもに秦・漢・隋・唐の時代の名所・旧跡を巡る旅に出かけた。元々雨の少ない西安地方なのだが、あいにく全行程曇り、または小雨の天候で、晴れ男の私としては面目なく思っている。豪雨に出合わなかったことがせめてもの幸いか。
西安という都市
西安は中国陝西省の省都で、ウイグルの砂漠や山岳、チベット高原などを除くと、中国の平野部全体から言うと、ほぼ真ん中に当たり、咸陽、長安と言った古代中国の首都であった。現在、西安市は人口1300万人超で、中国都市比較では重慶・上海・北京と続き9位の人口規模、面積は1万㎢超で、大阪府と比べ面積は5倍以上、人口は1.5倍に達する。周辺山岳、平野部が圧倒的に広く、都心部に人口が集中している。西安市北部を渭水(渭河)という川が西から東に流れ、いずれは黄河に注ぎこむ。咸陽は渭水の北側、長安(西安)は南側に宮城を形成したが、渭水の果たす役割は大きかった。

西安古代史探検で訪れた名所・旧跡
西安の名所旧跡を訪ねる旅は、全コースバスでの移動だったが、西安市を中心に地理的に近傍な所をまとめて周遊するものだった。そのため、時代的因果関係がつかめず、訪問地の個々の記憶は雑然としたまま持ち帰ることになった。さまざまな資料に当たりそれらを繋ぎ合わせながら時代順、つまり王朝ごとにまとめ「西安古代史探検の旅」とした。あくまで観光旅行なので、現地で感じた印象を綴ったものにすぎないことを断っておく。